ぼちぼちいこか
病気療養中だけどぼちぼち明るくいきたいネ♡

人間でいたい!__映画『キンキーブーツ』

私は昨日から悔しかった。

でも、その前から、
私はずっと悲しかった。
同じ日本の中で、震災に遭い、多くのものを失っただけで済まずに、
更なる、元々は人類が掘り起こさなければ遭わずに済んだはずの脅威の中でただ生き続けていらっしゃる方々とその土地に満ち溢れた悲しみと共に。
その影響を受けた海や生物や植物たちの悲しみと共に。

その悲しみと共に、
大切な友人の苦しみに今更にに気づいた昨日から、
私は悔しくて悔しくて、堪らなかった。

友人を苦しめていることは、直接は私のせいではない。
でも、私に、友人を苦しめている人を責められるのか…?
もちろん責めることが出来るだけの明らかなことはある。
でも、自分を守る為なら、自分さえ良ければ、自分の都合だけで、相手を支配しようとしたり、蹂躙しようとしたことはなかったか?
良いことをしているつもりの自分自身を自負し「これくらいのことは許されるよネ…」とイイ気になって知らず知らずの内に人を傷つけた事はなかったか?
ずっと続いているこの悲しみにだって、私にも責任はあったのではないか…。
自分にも少しは似た所があるからこそ、責任があるように思えるからこそ、悔しかった!

ちょうどそんな時、昨晩のことだが、
連れが読んでいて、ふと机に置いた小冊子の扉に書かれている文字が眼に入った。

「相手の人間性を無視すれば、自らも人間でなくなっていく」

自分の人間性を守るつもりで、相手を攻撃すれば、それは自分をも攻撃することになる…ということなのか?

そう言えば、昔観た『テイル・オブ・ワンダー』というロシア映画の中で、
放浪し続けてきた医者がある国で「真理を発見した!王様に会わせてくれ!」と騒いだため、捕まって裁判にかけられた時にこう言った。
「私はやっと世界の真理を見いだした!これを見てくれ!これが宇宙そのものなのだ!」と言ってボロボロのマントの裏を広げて見せた。
すると、そこには人体そのもののような宇宙地図が広がっていて、
「これを見ればわかるだろう!宇宙は、世界は、人体そのものと同じしくみで出来ていて、宇宙全体がひとつの生命体なのだ!だから、ココで戦争を起こしたり、コッチで憎み合ったりすることは、自殺行為に他ならないのだ!私たちは人間同士、自然とも仲良く平和に生きるようにできているのだよ!」
(…でも、彼の言い分は誰にも理解されず、彼は処刑されてしまう。)

この映画の言う通り、きっと私たちはどこかで繋がっていて、ひとつだからこそ、
私はこんなに悔しいのだ。
私はこんなに悲しいのだ。
人間でいたいのに、人間でいたいのに……!!

それでも、今朝は、この数日間、どうしたものか…と迷っていたことを、まるで少しでも煩わしい事を減らさんとするかのように、突然の降板宣言をして、そういう行動をとった自分に驚き、ちょっとだけ面白がって時間を過ごした。

そんな思いのままでも、お腹も空くし、笑いもする。

昼食後、発熱していたのもあって、なんとなくものを考えるのが嫌でTVを観ていた。
何気にBSに切り替えると、ちょうど映画が始まる所だった。

イギリス映画だった。
タイトルは『キンキーブーツ』
見終わる時は泣き笑いをしている自分がいた。
「素敵ねぇ…なんて素敵な人達…素敵ねぇ…」と呟きながら涙を流していた。
温かい涙だった。

ブーツの高いヒールの先で、
「メソメソうじうじする奴はサッサとおどき!!」
と蹴飛ばされたみたいだった。

映画のあらすじは、こう、
継ぐつもりもなかったのに、父親が急死してイギリスの田舎町ノーザンプトンの伝統ある紳士靴メーカー 『プライス社』を継ぐことになったチャーリーだが、会社は倒産寸前。ひょんなことから知り合ったドラッグクィーンのローラが足に会わない靴で悩んでいることを知った事がきっかけとなり、「女物の紳士靴」で市場開拓を思いつき、ローラを顧問デザイナーに起用し、工場の職人たちともすったもんだの挙げ句わかり合い、ミラノの国際靴見本市に打って出る…
といったコメディー。実話を基にしているらしい。

一見ポジティブに見えるドラッグクイーンのローラが抱える、マイノリティとしての苦悩や、その偏見を蹴飛ばしていくところといい、工場は「人そのもの」と気づいて行くプロセスといい、ドラッグクィーンのショーや選曲の絶妙さといい、靴の縫製過程のように、とても素敵にコンパクトに作られていた。映画の世界に入り込み、観終わった時には、私の心は違うエネルギーに転換されていた。

人間でいよう!
大丈夫、人間でいられるさ!
だって、こんなに素敵な所がたくさんあるじゃない!?
自分から諦めたり、ネガティブな感情に流されずに、決してブレずに、
素直なオバさんで行けばいいだけ。
当たり前の事を当たり前にやり、
自分をそっくりそのまま受け入れ、信頼し、感謝し、
相手も自分と同じ人間として対する事を心に誓い、尊重しよう。

きっと、まだしばらくは「悔しい」だろうけど、
さっきまでの私じゃないからネ。

このタイミングでこの映画と出会えたことが、まさしく奇跡 ☆ ☆


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