ぼちぼちいこか
病気療養中だけどぼちぼち明るくいきたいネ♡

本『さよならのあとで』

『さよならのあとで』(夏葉社)/ 詩:ヘンリー・スコット・ホランド  / 絵:高橋 和枝
さよならのあとで
 詩:ヘンリー・スコット・ホランド
 絵:高橋 和枝



ジュンク堂書店新宿支店が閉店するということを知り、
惜しみつつ訪れた3月9日に、何気に手に取ったのが、この本です。
シンプルなのですが、言葉使いと素敵なイラストとその空白の魅力的なこと♪
2日後に3.11の大震災に向けてのお祈りの会に何気に持って行きました。
ところが、まるで必然的であったかのように、
この本を私以上に必要とされていた方と出会ったのです。
身近な方を亡くされて、しかも去年の大震災で多くの方々が亡くなったことが重なり
深く心を痛め、自分自身へも問いかける日々を重ねていらした方でした。
じっと、この本と向き合い、何かを思われたようでした。
その方がこの本を閉じた時、
その前よりもずっと、緩やかで静かな気配に包まれていました。
「ああ、今日この日のこの場の為に必要だったのだな…」と思う出来事でした。

生まれ出て来れば。必ず私たちに「死」は訪れます。
浄土真宗の蓮如上人は教義を消息(手紙)の形で分かりやすく説いた「御文」と呼ばれる書面の中で、こう書いています。
「当時このごろ、ことのほかに疫癘(えきれい:疫病)とてひと死去す。
 これさらに疫癘によりてはじめて死するにはあらず。
 生まれはじめしよりしてさだまれる定業なり。
 さのみふかくおどろくまじきことなり。」(五帖御文/第四帖第九通)
どんな病でも事故でも、どんな亡くなり方でも、
それがそもそも「死」の原因ではなく、
生まれて来たから死ぬのです。それが定めなのです。
でも、「死」は辛く悲しい。寂しい。苦しい。
…それもしばらくの間は感情として仕方のないことです。
それはそれでいいのだと思います。
苦く辛いものでも、味わい尽くさなければ、次へと踏み出せないものです。
でも、長く嘆き悲しむのは、
逆に私たちがその「喪失」を握りしめて離さないことで「忘れない」と思い込もうとするエゴなのかもしれません。
それを、私も個人的に体験して、思い知ったことがありましたので、
特に大震災以後、このことを、本来あるべき方向へと嘆き哀しみ続ける方の向きを柔らかくそっと変えるにはどうしたらいいのだろう…と思い続けてきました。
その大きな助けになる本と、奇跡のように出会ったのです。
それが、この『さよならのあとで』です。
ですから、もし身近に大切な方を亡くされた方がいらしたとしても、せめても1〜2ヶ月はそっとその方のお話に耳を傾けて差し上げるだけにして、この本はご紹介なさらないで下さいネ。その方が少し落ち着かれて、少し力が抜けてきたような頃にご紹介なさってくださいネ。

この本は、設定が
亡くなった方の側から、この世に残された親しい大切な人に対して語りかけられたものとなっている、素敵な本です。

1ページに1~2行の言葉と、
小さな何気ないかわいいイラストと、
時には何もない空白のページ…ひとつひとつの言葉が、
まるで本当に私のソバで私だけの為にそっとささやいているような、
そんな世界にすっと引き込んでくれます。

で、この本の素敵さを何とかお伝えしたくて、
YOUTubeにあげてみました♫

でも、この本はきっと朗読やこうした動画では魅力や素晴らしさは伝わらないでしょう。
この本を手に取り、ページをめくりながら、言葉とイラストとその空白とそこに流れる静かな­­時間からささやいてくる大きな波動に包まれなければ伝わらない...そんな本として「本」を全うした、素晴らしい奇跡のような本です。
ですから、これをご覧になった方は、
是非とも本屋さんで手に取ってみてください。

私にとっては、『千の風になって』に勝るとも劣らない大切なものとなりました。
「死」とは、喪失と悲しみの事実だけでなく、
その喪った大切だった人が「生きていた」という喜びの事実と、
「生きていた」喜びの事実はまだそのまま私と共にあり、それと共­­にこれからも生きて行くのだな...と、
私にそっとやさしく伝えてくれるのです。

こうした眼差しを私は体験したことがあり、
あれは、こうしたメッセージだったのだな…と今も温かな心で包まれています。

著作権とかの問題もあるでしょうから、このURLを知っている方しか閲覧できないようにしました。
ちょっと文字が読みにくくて申し訳ありませんが、画面を大きくしていただければ…と思います。

最後の英文は原詩です(もともとタイトルはないそうです)。

先日、ピナ・バウシュの映画のことを書きましたが、
まさしく、この本の語り手のようなピナ・バウシュの眼差しが映画を包んでいるようでした(特に、彼女自身のパフォーマンスの映像から…)。





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映画『pina / 踊り続けるいのち』




先日、映画『pina / 踊り続けるいのち』観て来ました☆
私と連れとチェンバロ奏者のお友達と3人で♥

この映画は、
2009年に死去したドイツの世界的舞踊家であり振付家のピナ・バウシュと
彼女の手掛けたダンスにスポットを当てた、
『ベルリン・天使の詩』などのヴィム・ヴェンダース監­督によるドキュメンタリーです。
ピナの偉大な軌跡と、
彼女が長年にわたって芸術監督を務めたヴッパタール舞踊団のメンバーそれぞれの呟きのような語りと、
屋内外で躍動的に披露する彼女の振付によるコンテンポラリー・ダンスなどが、
まるでコラージュのようにめくるめくほどの映像で構成されています。

ものスゴい映画でした☆
3Dにしたかったのもよくわかる、3Dを非常にイイ使い方で映像化していました。
この3Dに対する考え方と使い方だけでも、画期的なことかもしれません。
何故なら、ヴェンダース監督は、かねてから 親交のあったピナから、20年前に自分の映画を撮って欲しいと依頼があったそうです。
でも、ピナの 芸術世界が映画の 枠に入り切れない…と思ったヴェンダース監督は二の足を踏んでいたそうです。
そこへ、やっと3Dが登場し、これなら行けるかもしれない…とGOサインを出したそうです。
しかし、皮肉にもその後すぐに、ピナは別の世界へ移行してしまった…。
それでも、彼女の芸術世界が生き続けているからこその、映画化となったそうです。
面白くない訳がありませんよネ。

やっと体力が戻って来たばかりだったのですが、
ものスゴーく疲弊しました(でもイイ意味でですからネ:笑)。
ちょっとみっちり詰め込み過ぎの感はありますが、
それも、ヴェンダース(監督)のピナへの愛の深さと理解し、許せます(笑)。

それにしても、3Dのパフォーマンスの数々は圧巻だったにも関わらず、
ピナが舞台で踊った、3Dでもないモノクロの映像の静けさと深い愛そのものを感じさせるそのパフォーマンスに一番感動してしまったのは、
やはりピナそのものの世界はピナそのものでしかまだ成り立たないという後世への課題であったのでしょうか…。

そういえば、チェンバロ奏者のお友達が、面白い事を呟いていました。
「師匠が亡くなった今だからこそ、いよいよ弟子達は自分のものを見つけ出し創造していかなくてはならない。ピナにそれを見てもらおうと、ある意味で弟子達は皆解放され、ピナが生きていた時より活き活きしていたわね」
彼女は、1月に世紀のチェンバロ奏者と評されていたお師匠さんが亡くなられたばかりでしたので、心の奥に響く言葉でした。

このお友達の言葉からも感じましたが、
「やはりピナそのものの世界はピナそのものでしかまだ成り立たないという後世への課題であったのでしょうか…。」と書いた、この課題は、ピナのお弟子さん達ならやりとげるような可能性も感じさせました。
ピナの随分前の頃の作品をかなり昔にテレビで観たことがあり、その頃から密かにファンだったのですが、
その頃の彼女はまさしくあの映像のままではありましたが、どこか尖った暗いものが強かった気がします。
でも、この映画の中の彼女は、厳しくてもどこか無邪気で、喜びと愛に満ちていました。

彼女は舞踊団のメンバーを「天使」と呼んでいたそうです。そして、メンバーひとりひとりを質問攻めにし、それに応えるメンバーの答えと共にダンスを創り上げていくのだそうです。
随分前にブログで『アートは作家ひとりにしては成らず』http://mina5east.blog.fc2.com/blog-entry-16.html というのを書いたことがありますが、
まさしく、ピナにとっても舞踊団のメンバーは、自分の世界を創りあげる大切なメンバーであり、それはコミュニケーションしていくことで自分の物語とメンバーの物語を響き合わせながら自分の中の奥の奥にあるものを捜し続けていく上での、必然的なかけがいのない存在だったのだろう…と、この映画を観ると思わせます。
そこから引き出されたのが、あの静かさと深い愛そのものだったのだろうな…と。
残された舞踊団のメンバーは、きっとこれからは、自分自身の物語を核にして、仲間の物語とかつてのピナの物語とを響き合わせながら、ピナの探し求めていた自分の奥の奥にあるものを引き出すことをしていけば、きっと、ピナがやりたかったけれどまだ叶わなかったことまで達成出来る人もいることだろう…と思わせてくれる映画でもありました。

これってきっと、私たちのささやかな生活でも、
私たちひとりひとりがまわりの人達とのコミュニケーションをもっと大切にし、
互いの物語を呼応させながら(響き合わせ合いながら)生きて行けたら、
お互いに素晴らしいものを引き出し合う事が出来る…ということですよネ。
そう出来たら、この世界も素敵に変わるのかもしれませんネ♡

一見の価値あります☆お時間あれば、是非☆☆


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